映像授業とは何か。基本の仕組みを知ろう
映像授業は、あらかじめ録画された講義をパソコンやタブレットで視聴して学ぶ方法です。コロナ禍をきっかけに、小学生から社会人まで利用する人が一気に増えました。まずは仕組みと、ほかの学び方との違いを整理しておきます。ここを押さえると、メリットとデメリットがぐっと分かりやすくなります。
映像授業の基本的な仕組み
映像授業は、講師の授業を録画した動画で受ける学習スタイルです。多くのサービスでは、1コマを10分から30分ほどに区切り、短い単位で学べるようになっています。たとえば中学数学の「一次関数」なら、基本の考え方、グラフの書き方、文章題への応用と、動画が段階的に分かれています。
視聴のあとには確認テストや演習問題がつくサービスが多く、見て理解して解いて定着させる流れが組まれています。代表的なものに、月額2,000円前後から利用できる「スタディサプリ」、校舎で受講する「東進衛星予備校」、AI教材と組み合わせた「河合塾One」などがあります。料金や内容は変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新情報を確認してください。
動画は何度でも見返せるため、一度で分からなかった部分を納得するまで繰り返せるのが大きな特徴です。先生が目の前にいない分、自分から動く姿勢が学習の成果を左右します。
対面授業やライブ配信との違い
学び方は大きく分けて、教室で受ける対面授業、リアルタイムで配信されるオンライン授業、録画を見る映像授業の3つがあります。違いが分かりやすいように、表にまとめました。
| 比べる点 | 映像授業 | ライブ配信 | 対面授業 |
|---|---|---|---|
| 時間の自由度 | 高い | 決まった時間 | 決まった時間 |
| 質問のしやすさ | サービスによる | その場でできる | その場でできる |
| 費用の目安 | 比較的安い | 中程度 | 高めになりやすい |
| 復習のしやすさ | 何度でも見返せる | 録画があれば可能 | ノート頼み |
映像授業の強みは時間と場所に縛られないことと、費用を抑えやすいことです。反対に、その場で質問したい人には対面やライブ配信のほうが合うこともあります。
小学生から大人まで広がる活用シーン
映像授業は受験生だけのものではありません。小学生なら、学校の算数でつまずきやすい「分数のわり算」や「速さ」の単元を、家で動画を見ながら復習する使い方があります。中学生は定期テスト前に、英語の「関係代名詞」や理科の「電流と電圧」といった苦手単元をさかのぼって学べます。
高校生や受験生では、東進衛星予備校の現代文のように人気講師の授業を受ける目的で選ぶ人が多くいます。部活で忙しい人が、すき間時間に数学の「微分・積分」を進める使い方も定番です。
大人の学び直しにも向いています。英検やTOEICの対策、資格試験の勉強を、仕事終わりの30分で進めている人もいます。年齢を問わず、自分のペースで学べる点が、幅広い層に選ばれる理由です。
映像授業のメリット
映像授業が選ばれているのには、はっきりした理由があります。自分のペースで進められること、苦手を狙って学べること、費用や移動の負担が小さいことなどです。ここでは代表的な4つのメリットを、具体的な場面とあわせて紹介します。
自分のペースで学べる
映像授業の一番のメリットは、理解のスピードに合わせて進められることです。教室の授業では、先生の進度についていけず分からないまま次に進んでしまうことがあります。映像なら、一時停止や巻き戻しを自由に使えるので、分からない場面で立ち止まれます。
反対に、すでに分かっている内容は倍速で見て先へ進めます。スタディサプリなどは再生速度を変えられるため、得意な単元は短時間で終わらせ、難しい単元に時間をかけられます。
朝の15分、通学の電車、夕食後と、生活のリズムに合わせて学習時間を決められるのも利点です。習い事や部活で忙しい小中高生にとって、この自由度は大きな助けになります。
苦手な単元だけをピンポイントで学べる
映像授業は単元ごとに動画が分かれているので、つまずいた部分だけを選んで見られます。たとえば高校数学で「三角関数」が苦手なら、その講座だけを視聴できます。塾のカリキュラムに合わせる必要がありません。
学年をさかのぼれるのも強みです。中学2年生が、小学校の「分数の計算」まで戻って学び直す、といった使い方ができます。苦手の原因は、実は前の学年の内容にあることが少なくありません。
- つまずいた単元だけを選んで視聴できる
- 学年をさかのぼって基礎から学び直せる
- 得意な単元は飛ばして時間を節約できる
上の3点が、苦手克服に映像授業が向いている理由です。必要な部分だけを、必要なだけ学べるので、勉強の無駄が少なくなります。
通塾の手間と費用をおさえられる
塾に通うと、送り迎えや移動の時間がかかります。映像授業なら自宅で受けられるため、移動時間がゼロになります。その時間を演習や休息にあてられます。雨の日や冬の夜道を心配する保護者にとっても、安心な点です。
費用面でも違いがあります。個別指導や集団塾は月に数万円かかる場合があるのに対し、映像授業の月額は数千円程度のサービスも多くあります。塾に通う費用と比べて、家計の負担を軽くしやすいのが特徴です。
通える範囲に塾が少ない地域に住んでいる人にも向いています。地方でも、都市部と同じ授業を同じ料金で受けられます。ただしサービスによって料金体系は大きく異なるため、サポート内容もあわせて比べることが大切です。
人気講師の授業を地域に関係なく受けられる
映像授業では、全国的に知られる講師の授業を自宅で受けられます。東進衛星予備校では、現代文の林修先生をはじめ、実績のある講師陣の授業が受講できます。スタディサプリでは、英語や数学などで分かりやすさに定評のある講師の講義が揃っています。
対面の塾では、近所の教室にいる講師が担当になります。映像授業ならその制約がなく、講師を自分で選ぶ感覚で学べます。教え方には相性があるので、体験動画を見て合う講師を探すのがおすすめです。
授業は質が一定に保たれているのもメリットです。収録された講義は、練られた構成と板書で進みます。何度見ても同じ品質で学べるため、安定した学習の土台になります。
映像授業のデメリット
便利な映像授業にも、向き不向きがあります。メリットだけを見て始めると、思うように続かないことがあります。ここでは、よくあるつまずきを3つ取り上げます。あらかじめ知っておけば、対策を立てやすくなります。
自己管理ができないと続かない
映像授業で最も多い失敗は、見ない日が続いて止まってしまうことです。教室の授業と違い、決まった時間に行く必要がありません。自由な分、「明日やろう」を繰り返すうちに、契約だけ残るケースがあります。
特に小学生や中学生は、保護者の声かけがないと習慣にしにくい面があります。対策として、見る時間をあらかじめ固定することが効果的です。「夕食後の20分」のように、生活の中に組み込みます。
- 視聴する曜日と時間帯を決めておく
- 1週間で見る本数の目標を立てる
- 終わった動画をカレンダーに記録する
こうした小さなルールで、続けやすさが変わります。最近は学習管理の機能や、スタッフの声かけがあるサービスも増えているので、自分一人で続けるのが不安な人はサポート付きを選ぶと安心です。
質問や相談がしにくい
動画の講義は、途中で手を挙げて質問することができません。分からない点をその場で解決できないため、疑問が積み重なるおそれがあります。たとえば数学の証明問題で、考え方のどこが違うのかを自分で見つけるのは簡単ではありません。
サービスによっては、チャットで質問できる機能や、チューターが学習計画を見てくれる仕組みがあります。ただし、返答までに時間がかかったり、質問の回数に制限があったりします。申し込む前に、質問の方法と回数、回答までの目安を確認してください。
質問への不安が大きい人は、映像授業と個別指導を組み合わせる方法もあります。映像で基礎を学び、分からない部分だけ先生に聞く形なら、費用を抑えながら不安も減らせます。
集中力の維持と「見ただけ」で終わるリスク
自宅で動画を見ていると、スマートフォンやゲームが気になって集中が切れやすくなります。また、動画を見ると分かった気になりやすく、自分で問題を解く前に満足してしまうことがあります。これが「見ただけ」で終わる状態です。
理解を定着させるには、見たあとに必ず問題を解く流れをつくります。英語の「関係代名詞」を学んだら、その日のうちに練習問題を5問解く、といった具合です。動画のあとにノートを開き、学んだことを自分の言葉で書き出すのも効果があります。
環境づくりも大切です。スマートフォンは別の部屋に置く、リビングなど家族の目がある場所で受けるなど、集中しやすい条件を整えるだけで、学習の質は大きく変わります。
映像授業が向いている人と選び方
ここまでの内容を踏まえて、どんな人に映像授業が合うのかを整理します。あわせて、代表的なサービスの比較と、失敗しにくい選び方も紹介します。自分や家族の状況に当てはめながら読んでみてください。
向いている人と向いていない人
映像授業が合うかどうかは、性格や生活スタイルで変わります。次の表に、傾向をまとめました。
| 向いている人 | 工夫が必要な人 |
|---|---|
| 自分でスケジュールを組める | 声をかけられないと動きにくい |
| 部活や習い事で時間が不規則 | 疑問をその場で解決したい |
| 苦手単元を集中して直したい | 家だと誘惑に負けやすい |
| 近くに通える塾が少ない | 学習の習慣がまだ整っていない |
右側に当てはまる人は、映像授業が使えないわけではありません。サポートの手厚いサービスを選ぶか、個別指導と併用すれば、十分に力を発揮できます。
代表的なサービスを比較
映像授業のサービスは、対象や特徴がそれぞれ異なります。代表的なものを、目的別に見てみましょう。
| サービス名 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| スタディサプリ | 小学生から高校生、大人 | 月額制で始めやすく、学年をさかのぼって学べる |
| 東進衛星予備校 | 高校生、大学受験生 | 校舎で受講し、確認テストと担任のサポートがある |
| 河合塾One | 中学生、高校生 | AI教材と映像授業を組み合わせた学習ができる |
| すらら | 小学生から高校生 | 対話型のアニメ教材で、基礎の学び直しに向く |
表の内容は一般的な特徴です。料金や講座の内容、サポート体制は時期によって変わるため、最新の情報は必ず公式サイトで確認してください。
失敗しない選び方と体験授業の使い方
選ぶときは、まず目的をはっきりさせることから始めます。「学校の授業の補習」なのか、「志望大学への合格」なのかで、向くサービスは違います。次に、質問のしやすさやスタッフのサポートなど、自分に足りない部分を補える仕組みがあるかを確認します。
多くのサービスには、無料体験や返金制度があります。実際に1コマ見てみると、講師の話し方や画面の見やすさが自分に合うかが分かります。お子さんが使う場合は、本人に体験してもらい、「続けられそう」という感覚を聞いてみてください。
- 目的と学年に合った講座があるか
- 質問やサポートの方法が分かりやすいか
- 体験授業で講師や画面に違和感がないか
- 料金と解約の条件に納得できるか
この4点を確認すれば、入会後のミスマッチをかなり減らせます。自分に一番合う学び方を見つけるために、気になるサービスは複数を体験して比べてみてください。
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